ヒルトミ劇場 Too death
シーズン1
第1章 ダメだなこれ!
~研究施設~
???「さぁ!私たちの条件をのむのです」
ヒルトミ「……何故こうなってしまったのだ」
~回想~
ヒルトミ[僕はヒルトミ、20歳の社会人だ]
[僕はいつものように仕事に行き、帰ったら寝て、起きたら仕事に行く]
[そんな毎日を繰り返し生活している]
[しかし、今日だけは違ったのだ]
ヒルトミ「ハァー……やっと仕事終わったか」
「明日は休みだし気分転換に今からカラオケでも行こうかな」
「そうだ!ソイル誘おっと」
プルルル
ヒルトミ「もしもし」
ソイル「ヒールー?どうしたの?」
ヒルトミ[こいつはソイル 俺の親友だ]
ヒルトミ「今からカラオケ行くんだけど君もどうだ?」
ソイル「今からか……うん いいよー」
ヒルトミ「了解 じゃあ今からK駅に来てくれ」
ソイル「わかった 準備するから一時間くらいで着く予定」
ヒルトミ「へい!また後でね」
…さて
ヒルトミ「一時間どこで時間潰そうかな」
???「君 君 そこの君!」
ヒルトミ「え?僕ですか?」
白衣着た女性「そうそう君 君」
「ちょいと私たちの研究の手伝いを頼みたいのだが、時間あるかい?」
ヒルトミ「はい?何ですかいきなり……新手の逆ナンパですか?なんか怪しいなー」
白衣着た女性「違う違う!ある実験をしてて、手伝ってくれる人を探してたら 偶然にもアンタを見かけたのさ」
ヒルトミ「偶然?この道通る人なんてそこら辺にいくらでもいるじゃないですか 別に僕じゃなくても」
白衣着た女性「いいや、これはアンタにしか出来ないことさ、勝手ながらアンタのデータは取らせてもらったよ」
ヒルトミ「あれ?さっき偶然とか言ってませんでしたっけ?いつの間に僕のデータを取ったんだよ!」
白衣着た女性「一週間前…」
ヒルトミ「……はっ?一週間前!?偶然はどこに行ったんだ!これは偶然じゃなくストーカーだよ」
白衣着た女性「だから誤解さ、手伝ってくれる人のデータを取るのは常識じゃないか!」
ヒルトミ「そんな常識聞いたことないし、まだ手伝うなんて言ってないだろ」
白衣着た女性「こんなに頭下げてお願いしてるのに手伝ってくれないとは…さては心なしだな!」バッ
ヒルトミ「今頭下げられても説得力ないんですけどね!」
「それにどんなに頼まれても絶対に引き受けません」
「これから用事があるので失礼します!」
白衣着た女性「おい!待ちな!」
「絶対に逃がすもんか」
「アンタら何突っ立ってんのさ、早くやつを囲め!!」
白衣軍団「「「はい!」」」
ゾロゾロ
ヒルトミ「な…なんなんだ」
白衣1「此処から先は通らせないよ~」
白衣2「君、なかなか可愛いわね♥️」
白衣3「私達カナタ様の命令絶対」
ヒルトミ(こいつら一体なんなんだよ)
「チッ…上等じゃねーか」
「お前らそこ退きやがれ!!」
白衣きた女性「今だ!撃て!」
バン
シュー
パサァ
ヒルトミ「あっ?なんだこれ……動けねぞ」
白衣着た女性「でかした!!」
「このままヒルトミを連れてラボに帰還する!」
ヒルトミ「わ わかった……わかったから実験でも何でも手伝うから今日だけは勘弁してください!」
白衣着た女性「悪いな!全然聞こえなーい」
ヒルトミ「絶対聞こえてるだr」
白衣着た女性「よし、連れていけ!」
白衣1,2,3「「「はい!」」」
ヒルトミ「おい ちょっと待って あっ…」
[こんな事があり、僕はこのわけのわからない所に連れてこられたわけだが]
~回想終了~
ヒルトミ「それで?僕は何をすればいいんですか?」
白衣着た女性「それでは私たちが開発した″モノ"(ブツ)を見てくれるか!」
「きっとアンタも驚きを隠せない筈さ」
ヒルトミ「へーソイツハスゲーヤ」棒
白衣着た女性「見てろー冷静でいられるのも今のうちだからな」
ヒルトミ「へーソイツハスゲーヤ」棒
白衣着た女性「私たちはこの"モノ"に全てを掛けてきた」
ヒルトミ「へーソイツハスゲーヤ」棒
白衣着た女性「では、目を見開いてよーく見てろ いくぜー!」バサァ
「これぞ私たちの血と汗と涙の結晶彼方2018 通称タイムマシン」
ヒルトミ「へーソイツハ…ファッ?!タイムマシン!?」ビックリ
白衣着た女性「どうだ 驚いたか?」
ヒルトミ「タイムマシンって、あの過去と未来を行き来できるマシンのことですよね!」
「うそ 本物?マジもんかよ!」メ キラキラ
白衣着た女性「マジさ!」
「彼方2018作るのには苦労したよ」
ヒルトミ「確かに理論上タイムマシンは作れることがわかっているけど」
「タイムマシンの実験は危険すぎるから禁止されてる筈では?」
白衣着た女性「確かに 使っても片道切符だったり、タイムパラドックスがどうとかいろんな説があるが」
「これは普通のタイムマシンではないんだ」
ヒルトミ「そもそも普通のタイムマシンがわからないけどwどう言うことですか?」
白衣着た女性「本来のタイムマシンは同じ過去に戻り、同じ未来に行けることができるわけだが さっきも言ったようにタイムパラドックスの危険性もあるのだ」
「だけど、この彼方2018は同じ過去に戻ったり同じ未来に行くことはない」
ヒルトミ「え?それってどういう…」
白衣着た女性「パラレルワールドもしくは平行世界という言葉を聞いたことがあるか?」
ヒルトミ「…確か同じ宇宙に存在する今とは別の世界でしたっけ?」
白衣着た女性「うむ…少し矛盾しているがそんな感じだ!」
「ざっくり言ってしまえば、その別の過去や未来に行けばタイムパラドックスの心配がいらない!」
ヒルトミ「あぁ、なるほど!」
「同じ過去や未来に行けないけど別の過去や未来に飛んでしまえば何をしてもこっちの世界に影響が出ないから安心ってことですね」
「でもこっちに戻ってこれるんですか?」
白衣着た女性「あぁ、簡単だ!ある方法を使えばね」
ヒルトミ「その方法とは?」
白衣着た女性「その名も命綱効果さ」
ヒルトミ「命綱効果?」
白衣着た女性「ヒルトミがあっちの世界に行き、帰ってくるときはこっちから釣り上げる」
ヒルトミ「釣り上げるって……魚釣りじゃないんだから……」
白衣着た女性「でも、この方法ならこの世界に迷わず戻ってこれる」 (理論上)
ヒルトミ「まぁ確かにあっちの世界とこっちの世界に綱があれば吊り橋のようになるわけだね」
白衣着た女性「うん……まぁ……」
ヒルトミ「なんか自信無さげですね…」
白衣着た女性「ただ、実際使うのは綱ではなく センサーなんだよ」
ヒルトミ「センサー……ですか?」
白衣着た女性「うむ」
ヒルトミ「本当にセンサーでこっちに戻ってこれるんですか?」
白衣着た女性「おぅ、大丈夫だ!」(多分)
「そ…それより、私たちの実験を手伝ってくれる気になったかい?」
ヒルトミ(なんだろう……正直 安心出来ない)
(断った方がいいかな)
「あ…えーと……これから予定があるのでまた後日ということで)
「では、また!」
ガシッ
白衣着た女性「何処へ行くつもりかな?」
ヒルトミ「……」
白衣着た女性「引き受けてくれるよね」ニコッ
ヒルトミ「あっ……はい」ビクッ
白衣着た女性「ありがと 君なら引き受けてくれると思ったよ」アハハ
ヒルトミ(誰か助けてくれ~)
~数分後~
白衣着た女性「さて、準備が整った」
ヒルトミ「随分と早いですね」
白衣着た女性「まぁ~何」
「戻りたい過去を指定するだけだし、そんな時間は掛からないさ」
「それよりは、もう出発する準備は出来てるか?」
ヒルトミ「はい!」
白衣着た女性「うむ、ならさっさと乗った乗った」
シュッと
ヒルトミ「乗りましたよ次はどうすれば?」
白衣着た女性「よし次は赤のボタンを押すんだ」
「それが起動スイッチさ」
ヒルトミ「赤のボタンですね え~と」
赤と書かれたボタンがある
ヒルトミ「これかな?」
ポチ
ガガガガガ
白衣着た女性「うむ起動したな」
「あとは手前のレバーを引くだけだ」
ヒルトミ「わかりました」
手前にはレバーが二つある
ヒルトミ(どっちだろ?)
(両方引いちゃえ)
ガチャ
ヒルトミ「どうだ!」
………
アナウンス[警告 警告 警告 警告 警告]
白衣着た女性「なっ……警告だど!?一体どうなっているんだ!」
ヒルトミ「えっ?えっ?何?何なの?」
アナウンス[警告 警告 警告 警告 警告]
[彼方2018ハ危険ナ為、制限モードに切リ替ワル]
[危険 危険 危険 危険 危険]
[只イ…リ…制ゲ…モー…カラ自ババク…モード…切リ替…ル…]
白衣着た女性「んなっ!!自爆ってなんだ?そんな機能はつけた覚えがないぞ!?」パニック
ヒルトミ「ちょ待て!どうすればいーの!?」アタフタ
白衣着た女性「一旦落ち着け!とりあえず降りるんだ!」
ヒルトミ「あっそうですね」
「この扉どうやって開けるんですか?」
白衣着た女性「扉は手動で開くぞ」
ガタガタ
ヒルトミ「だめです!開かないよ待ってこれ絶体絶命のピンチなのでは!?」
アナウンス「爆発マデ5秒」
「4」
白衣着た女性「開かないことはないだろ!」
「3」
ヒルトミ「ホントに開かないんですよこのままでは…」
「2」
白衣着た女性「なぜだ…なぜこうもうまくいかないんだ」
「1」
ヒルトミ「くそぉ……なぜこんな目に……」
「0」
ヒルトミ(あぁ、もうダメだなこれ)
ドカーーーン
シナリオ ヒルトミ、?
出演者
ヒルトミ ソイル 白衣着た女性 白衣軍団1、2、3
第2章 神を信じますか?
………
ヒルトミ「……ぅ……ん…?」
「こ……此処は……何処だ?」
[あれ?僕はなんでこんな真っ暗な場所にいるんだ?」
(確か変な集団に捕まって…タイムマシーンに乗って、それから……)
(ダメだ…思い出せない……俺その後どうなったんだ…)
(もしかして、此処が過去なのか?それにしては何も無い空間……だな?)
(少し胸騒ぎがするけど怖がっては居られないな)
(タイムマシーンが見当たらない……どうやって帰ればいいんだ?)
?「お!目が覚めらたみたいだな」
ヒルトミ「!」ビクッ
「誰だ!」
?「驚かせてすまんな」
「それと俺はお前の後ろにいるぞ」
ヒルトミ「だから誰だよ」
スッ↩︎振り向く
ヒルトミ「ひゃァァァ!!」Σ(Д゚;/)/…
?「凄いリアクションだな……まぁ…当然と言っちゃ当然だが…」
ヒルトミ「でででで出たァァァ!!!!」
?「いや流石にビビりすぎだろ」(笑)
ヒルトミ「なんなんだよ!!早くあっち行けよ!!!」ビクビク
(嘘だろ!人魂だ……)
人魂「いいから落ち着け!元の世界に帰りたくないのか!」
ヒルトミ「も…元の世界…?」
(帰る方法があるのか!)
人魂「少し落ち着いたか?」
「いいか?現状を説明するからよく聞け!」
ヒルトミ「あ…あぁ分かったよ……」ビクビク
人魂「まず、この世界について説明するぞ」
「此処は生と死の狭間の次元なんだ」
ヒルトミ「生と死の狭間?」
人魂「後で質問に答えてやるから最後まで話を聞け!」
ヒルトミ(人魂も怖いがいきなり怒鳴ったりするし余計に怖いわ!)
「あぁ…」
人魂「もう一度言うぞ!」
「此処は生と死の狭間の次元だ!つまり、元いた世界と死後の世界を繋ぐ場所、それが此処なんだよ」
ヒルトミ(元いた世界と死後の世界?)
(それってどういう意味なんだ??)
人魂「なぜお前がこんな所に来たかはわかんないが、要は現実世界では死にそうな状態なんだろうよ」
ヒルトミ(マジかよ……それが本当だとしたら、俺は死ぬかもしれないのか……)
(長いようで短かった人生さよなら…ちくしょう!)
人魂「でも、お前はまだ死んでいない」
ヒルトミ「え?」
人魂「そう、お前はまだ死んでない!」
ヒルトミ(なぜ2回言ったんだ)
人魂「だから此処を脱出すれば帰れるかもしれない!」
ヒルトミ「出口の場所は分かるんですか?」
人魂「それは分からない」
ヒルトミ「……じゃあどうすれば」
人魂「実際に見たわけじゃないが、何処かで出口らしきものを見た他の人魂がいるらしい」
「そいつを見つければ出口を教えてくれるかもしれない」
ヒルトミ「探すのはいいけど、何も無い真っ暗な空間で無闇に探しても見つからないんじゃ?」
人魂「いや、この真っ暗な空間はここだけなんだ!」
ヒルトミ「ん?それはどういう意味です?」
人魂「まぁ、歩いてみれば分かるよ!」
ヒルトミ「分かった移動してみよう」
~5分後~
ヒルトミ「おぉ、なんか光がみてえきたぞ」
人魂「こっからが、本当の地獄だ用心しろよ」
ヒルトミ「地獄?よく分からないけど分かったよ」
人魂「それでいい!」
ピカン
ヒルトミ「うわぁ光が……強く!?」
?[やぁ、僕はメアリー]
メアリー[此処からは僕がナレーションをすることになったよろしくね]
メアリー[パッと光がヒルトミを包み込む…]
……
ヒルトミ「ん?あ、あれ?此処って…はっ!?」
「うわぁぁぁ!」
メアリー「眩い光の先は廃病院だった」
[辺りはホコリや血、死体が足の踏み場もなくびっしりと転がっている]
[死んで間もない死体…腐りきってしまった死体…完全に白骨化した死体]
[こんなの見てしまっては正気ではいられまい]
「そう…此処からが本当の地獄である」
人魂「おい、落ち着け!」
「正気を失っては元も子もない!」
ヒルトミ「これが落ち着いて居られるか!」
「し、死体が……」
人魂「大丈夫だ落ち着け!」
「確かにこれは本物の死体だ」
「だけどこれは諦めちまった奴の死体だ」
ヒルトミ「…諦めた奴の死体…?」
人魂「諦めた奴の末路がこの死体だ」
「いいかよく聞け、ここでは諦めちまったら最後」
「二度と生きて帰れない」
「大事なことだからもう一度言うぞ!」
「生きて帰りたいのなら絶対に諦めないことだ」
ヒルトミ「諦めない…?」
人魂「そうだ!」
「忘れるんじゃないぞ」
ヒルトミ「あぁ…わかった……」
メアリー[ヒルトミは考えることを辞めた、まだ帰れる希望を捨ててはないからだ]
[ヒルトミは決意を抱いた]
~~~~~
人魂「見ての通り此処は廃病院らしいな」
ヒルトミ「他にも色んなところがあるの?」
人魂「俺が知る限りだと廃校や廃館があったな」
ヒルトミ「そうなんだ…ていうか生と死の狭間の世界に何故そんな場所があるんだろ?」
人魂「俺も詳しくは知らんな」
「でも、此処は死に近い場所だそれなら、人間以外も存在してもおかしくないんじゃないのか?」
ヒルトミ「それってつまり、まだ存在する廃病院ってことか」
人魂「さぁね?そんなこと考えたこともねーな」
ヒルトミ「だ、だよね」
「ねぇ…聞きたいことがあるんだ」
人魂「…なんだよ改まって」
ヒルトミ「死んだら…どうなるんだ?」
人魂「あ?お前も死んでみるか?」
「死んでみれば分かるぜ」
ヒルトミ「いや…遠慮しておく」
人魂「まぁ、直ぐに分かるさ」ボソッ
ヒルトミ「なんか言った?」
人魂「別になんにも言っちゃいねーさ」
人魂「さぁ、突っ立ってないでさっさと歩け!」
「帰りたくねーのかよ」
ヒルトミ「う、うん…わかったよ」タッタッタッ
ガタガタガタガタ
人魂「ん!」
「危ない避けろ!」
ヒルトミ「ん?」
人魂「早く避けろ!」
ヒルトミ「いきなり避けろと言われてもな…こうかな?」
人魂「馬鹿野郎そっちじゃねーよ!!」
ヒルトミ「え?」
グラグラグラ
ヒルトミ「……えっ……待って逃げれない!」
ヒルトミ「うわぁぁあぁぁ!!」
ガッシャン
メアリー[ガタガタと立て付けの悪い棚が倒れてきてヒルトミは下敷きになり、息絶えたのであった…めでたしめでたし!]
ヒルトミ「………」
「うわぁ!」
「あれ?今の夢?」
「でも…夢だとしたら此処は何処なんだ?」
シュウィーン
ヒルトミ「ん?あれはなんだ?」
続けますか? 諦めますか?
ヒルトミ「……ゲームかよ!」
「まだ他にも書いてある……」
注意
諦めた人は迎えが来るまでしばらくお待ちください
ヒルトミ「迎えに来る?諦めたら帰れるのかな?」
ヒルトミ「………」
「継続で!!!」
シュウィーン
ピカーン
ヒルトミ「……あっ病院だ」
人魂「戻ってきたか」
「もう戻ってこないかと思ったぞ」
ヒルトミ「一体何が起こったんだ?」
人魂「覚えてねーのかよ」(笑)
ヒルトミ「笑い事じゃないよ死ぬかと思ったんだから!」
人魂「お前は1回死んだんだよ」
「いい死にっぷりだったぜ」
メアリー[ヒルトミは人魂に言われ倒れた棚の方を見る]
[ヒルトミは絶句した、そこには血溜まりが出来ていて、辺りには肉片が飛び散っていた]
[よく見るとナイフやメスノコギリが散乱していた……]
ヒルトミ「………」
(……うわぁ)
人魂「ど派手にやっちまったな」
ヒルトミ「うわぁぁあぁぁ!?」タッタッタッ
人魂「おい、待てよ」
「待てって!」
~手術室~
ヒルトミ「なんだよここは…どうなってるんだよ」
人魂「さっきも言っただろ此処にはトラップがある」
「闇雲に行動したら何度も死ぬことになるから」
「もっと慎重になれよ」
ヒルトミ「…なぜ死ぬことを黙ってたんだ」
「死んだ筈なのになぜ僕はまだ生きているんだよ」
人魂「………」
ヒルトミ「続ける?諦める?」
「ゲームかよ……こんな茶番に付き合ってられるかよ!」
「何故僕がこんな目に…」
人魂「甘ったれたこと抜かしてんじゃねーよ!!!」
ヒルトミ「!」
人魂「お前は何にも分かっちゃいねー」
「ここに来たくて来るやつなんていねんだよ!」
ヒルトミ「………」
人魂「お前さっき茶番とか言ったよな」
「何度も死を経験してもなお、一生懸命出ることを試みた奴らを茶番だって言えるのかよ!」
ヒルトミ「うぅ」
人魂「まぁ、俺は諦めちまったから人の事言えないがな」
ヒルトミ「…ごめんそんなつもりで言ったんじゃなかったんだ」
人魂「あぁ、分かっているさ」
「ただ、一生懸命生き延びようとした奴もいると言うことを知ってもらいたかったんだ」
ヒルトミ「自分の死を目にして怖かったんだ…」
人魂「まぁ、無理もねーよ」
「俺も初めて死んだ自分を見たら正気ではいられなかったしな」
「お互い様だ」
ヒルトミ「ありがとう」
「ところで、君はどのくらい死んだの?」
人魂「唐突だな…おい、そうだな…お前が10回死んだら教えてやるよ」
ヒルトミ「えぇ!?10回も…」
人魂「これでも少ない方だぜ」
ヒルトミ「………」
人魂「俺からも質問するぞ」
ヒルトミ「う、うん」
人魂「お前名前は?」
ヒルトミ「あっ…まだ名前言ってなかったか…」
「僕はヒルトミ」
人魂「ヒルトミだな、此処を脱出のサポートは俺に任せな」
「必ずお前を元の世界に戻してやるからな」
ヒルトミ「ありがとう」
「よろしくお願いします」
人魂「あぁ、よろしく」
ガチャ
ヒルトミ「なんだ今の音は…」
人魂「ま…まさか」
「入ってきた扉を開けてみろ!」
ヒルトミ「わかった」
ガシッ ガタ ガタ
ヒルトミ「あ、あれ?開かないよ」
人魂「やっぱりそうか」
ヒルトミ「やっぱりって?」
人魂「どうやらロックがかかったらしいな」
ヒルトミ「えぇ!?嘘だろ…これじゃあ出られないじゃないか!!!」
人魂「落ち着け!何処かにロック解除出来るボタンがあるはずだ探してみろ」
ヒルトミ「もしかして、解除ボタンがあるところ知ってるの?」
人魂「俺が閉じ込められた時はここにあったんだ」
「でも、この空間は移動したり広くなったり安定してないんだ」
「ボタンの位置も変わっている」
ヒルトミ「…気が遠くなるな」
「…本当に出られるのか心配になってきたよ」
人魂「気持ちは分かる」
(安心して、きっと君なら出られる)
(何としても)
ヒューー
(…この感じ)
ヒルトミ「ねぇ、ちゃんと聞いてる?」
人魂「…あ?わりぃちょっと考え事をしていた」
「なんかあったのか?」
ヒルトミ「ロック解除ボタンってこれ?」
人魂「おっそれだ!出来したぞヒルトミ!」
ヒルトミ「押すよ!」
人魂「あぁ」
ポチッ
ピィーーー カチッ
ガガガガガガガガガガガ
ガシャン
ヒルトミ「やった!開いた!」
人魂(ヒルトミに知らせるべきかな?)
(……どうしよう)
ヒルトミ「おい!」
人魂「うわぁ!ど、どうした!」
ヒルトミ「なに驚いてるの?」
人魂「いきなり声かけるからだろ!」
ヒルトミ「さっきからどうしたの?もしかしてぼぉーとしてた?」
人魂「あぁ、その事なんだが」
ヒルトミ「悲鳴!?」
人魂「右から聞こえたな」
ヒルトミ「行ってみよう」タッタッタッ
人魂「ちょっと待てよヒルトミ!」
~墓場~
ヒルトミ「さっきまで病院にいたよな?」
人魂「色々混ざりあってるからな最初にいた場所に戻るのも至難の業だ」
ヒルトミ「それじゃああの悲鳴は?」
人魂「悲鳴のする方に移動しても会えないだろうな」
ヒルトミ「そんな…それじゃあどうやって探せばいいんだよ」
人魂「安心しろ」
「居場所なら分かるついてこいよ!」
ヒルトミ「ちょっと待ってよなぜそんなこと分かるんだよ…」
人魂「話は後だ悲鳴をあげた主を探すのが先だろ」
ヒルトミ「…あぁ、なんかごめん」タッタッタッ
~森の中~
人魂「近いな、もう少し進んでみるか!」
ヒルトミ「ま、待ってよ…ハァ…ハァ」
「君は浮いてるからいいけど、走るのは辛いんだよ…」
人魂「そうだったな…もう少しゆっくり移動するか」
ヒルトミ「そうしてくれると助かるよ…」
〜数分後〜
ヒルトミ「まだ見つからないの?」
人魂「変だな…気はすぐ近くに感じるんだがな…どこかで隠れてるかもしれんな」
きゃああああ!
ヒルトミ「また悲鳴だ!」
人魂「間違いない!すぐ近くだ!」
ヒルトミ「行こう!」タッタッタ
〜〜〜〜〜
?「やだ…来ないで!!!」
怪物「グルルルルル!」
「ガウガウ!グルルルルル!」ガウッ!
?「きゃああああ!!!」
危ない!!!
ガツン!
怪物「ぐああああ!!!」
ヒルトミ「今だ!化け物が怯んでる隙に逃げるぞ!」
?「何なの…私に何するつもり!」
ヒルトミ「なんにもしないから早く来い!」ガシッ
?「離してよこの変質者」
ヒルトミ「変質者って……」
人魂「多分錯乱してるだけだ、気にせずその子を連れて逃げるぞ!」
ヒルトミ「う…うん」タッタッタ
?「離して、離してよこの変態!!!」タッタッタ
ヒルトミ(うぅ……僕のメンタルが……)
〜学校〜教室1年6組
ヒルトミ「はぁ…はぁ…」
人魂「どうやら追ってきてはないらしいな」
ヒルトミ「た、助かった…」
?「私をここに連れてきて何するつもりなの!」
「さては、あの怪物みたいに私を殺ろすつもりなんでしょう!」
ヒルトミ「落ち着いて!僕は君を殺すつもりは無い!」
?「嘘よ!」
「こんな所に人間なんているわけないもん!」
「私を安心させて隙を見て殺そうとしてる事くらいお見通しなんだから!」
ヒルトミ「参ったな…」
人魂「精神が完全に崩壊してやがるな」
「もう、ほっといてさっさと出口を探そうぜ」
ヒルトミ「せっかく生存者がいるんだからほっとくわけには行かないだろ」
「こんなに震えて…可哀想じゃん」
?「………」ブルブル
人魂「いや、お前を見て怯えてるんだよ」
ヒルトミ「まさか…」
「大丈夫だよ!僕がついてるから、怖がらなくてもいいよ!」
?「きゃあああ!!!こないで!!!」
ヒルトミ「………」
人魂「だから言ったろ」
ヒルトミ「…僕にはどうにも出来そうにないな…」
(どうにかして信用をえらないと…)
人魂「もう、そんな女ほっとけ」
ヒルトミ「………」
→1 今はほっとく
2 無理にでも連れていく
3 自分の私物を渡す
M「1」
ヒルトミ「僕にはとても手につけられない」
「[今はほっとく]か」
?「がたがたがたがた」ブルブル
人魂「何ぼさっとしてるんださっさと行くぞ!」
ヒルトミ「あぁ…」
?「もう嫌……助けて……」ブルブル
ヒルトミ「………」テクテクテクテク
メアリー[ヒルトミは女の子を置いてその場をさってしまう]
[そして、どれくらい時間がたったのだろうか…女の子と別れてからここまで来たことはなんにも覚えていない]
[いつの間にか人魂ともはぐれていた]
[ヒルトミは女の子を置いてきたことを少し後悔した]
[こんな不安定な空間で1人になってしまったら正気でいられない]
[女の子の様子も気になるので1度戻ることにした]
〜海〜
ヒルトミ「……海?こんなところ通ったかな…?」
「人魂ともはぐれてしまったし…このままではダメだよね」
「あの子の事も心配だし早く戻らないと」
「……よ」
ヒルトミ「ん?なんだ?」
「ひ……よ………わた……なんて…」
ヒルトミ「声が…頭の中で……」
「酷いよ私を置いて行くなんて」
ヒルトミ「っ!?」
メアリー[何か胸騒ぎがする…そう思いヒルトミは急いで女の子の元へと向かう]
ヒルトミ「…急がないと」タッタッタ
〜学校〜1年9組前
ヒルトミ「あともう少しだ」ハアハア
カラン
ヒルトミ「?」
「何か落ちてきた」
「これは……鍵?」
メアリー「ヒルトミは血塗れの鍵を手に入れた」
ヒルトミ「これはどこの鍵だろう」
メアリー「ヒルトミは鍵に着いてあるタグを見た」
ヒルトミ「…視聴覚室か」
「行ってみるか」テク テク
〜視聴覚室〜
ヒルトミ「此処か」
ガラガラガラ
ヒルトミ「真っ暗で全く見えないな…」
「何があるか分からないから慎重に進もう」テク テク
ドサッ
カランカラン
ヒルトミ「おっと、何かを蹴ってしまった」
「これはなんだろう」ガシッ
「鉄のパイプ?」
「何故こんなものが?」
カチッ ザザザザザ
ヒルトミ 「な、なんだ!?」
メアリー[突如動き出したプロジェクターにヒルトミは驚いた]
[しかし、この部屋にはヒルトミ以外いない]
[それなら何故勝手に動き出したのか、原因は謎である。]
ヒルトミ「どうなっているんだ一体…」
ピッ
メアリー[ピッって音と同時にスクリーンに映像が写される]
〜〜〜〜〜
女性「こ、来ないで!!!」タッタッタッ
「誰か!助けて!!!」
???「………」テク テク
メアリー[大声で助けを求める女性と、それを追うようにゆっくり近づく黒い影が映し出されていた]
女性「きゃっ!」バタッ
???「………」テク テク テク
女性「やだ…来ないで…」
???「………」テク テク ピタッ
メアリー[黒い影は女性の前で立ち止まり、鉄パイプを握りしめた手を上にあげ、大きく振り下ろした]
ヒルトミ「!?」
ベチッ
???「あああああぁぁぁ」
ベチッ
???「痛い…痛い…やめて…どうしてこんな…酷いことを……するの」
ベチッ
???「あ…あ…」ゴボッ
メアリー[鈍い音と悲痛な叫びが空間にこだまする中、何度も何度も黒い影は殴ることをやめなかった]
[いずれ、鈍い音は骨を砕く音に変わっていった]
バキッ
女性「………」
バキッ
女性「……助け…」
ガンッ
メアリー[女性は動かなくなり静かになった空間でニヤリと笑う男が一人]
[スクリーンに映された黒い影の正体は…ヒルトミの姿がだった]
ヒルトミ「うわああああああああああああぁぁぁ」
「嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!」
「僕が…僕が人を殺すわけ…」
酷いよ…私を殺すなんて…
ヒルトミ「…本当に僕が…殺ったのか…」
「これは現実…なのか…」
「どうしてこんなことに…」
「どうしてなんだよ!!!!!」
「うぅ…」ポロポロ
怪物「ガアアアア」
ヒルトミ「………」
怪物「ギァァァァオオオオオ」
ヒルトミ「もう…どうでもいい…」
「…生きる希望なんてもう僕にはない…」
ガシッ
メアリー[ヒルトミは首をもぎられ斃れた]
BADEND1 諦めた心情
ヒルトミ「教えてメアリー博士」
メアリー「ようこそ!迷える子羊諸君」
「此処はドクターメアリーのラボだ!」
「各トゥルーエンドに辿り着けなかった人やボス戦で負けてしまった人達の救済処置だ、アバロンだ!」
「ヒントなんかいりません根性値120パーの人と全てのエンドを見たいだけの東方厨と公式サイトでフローチャート見てますサーセンwの人はスクロールでスキップしてくれたまえ!」
「さて、今回の迷える子羊は…」
ヒルトミ「あれ?此処は何処!?」
「僕は死んだ筈じゃ……」
メアリー「此処はドクターメアリーのラボだ!」
「そう君はバッドエンドを回収したから此処へ来た」
ヒルトミ「メアリー!?なんで君が……」
「ていうかドクターメアリーってどういうこと?」
メアリー「細かいことは別にいいじゃないか」
ヒルトミ「いや細かくないでしょ!」
メアリー「まぁまぁ」
「それよりヒールー、生きることを諦めて死を選んだよね?」
ヒルトミ「……まぁ、そうだね……」
「そうじゃん!死んだのになんで生きて……」
メアリー「このラボでは死んでも一時的に生き返ることができるからね」
「感謝してよね」
ヒルトミ「メアリー……君は一体何者?」
メアリー「僕はこのSSの超越する者さ、自称だけどね」
ヒルトミ「よくわかんないけど、僕はこれからどうなっちゃうの?」
メアリー「とりあえずここに来た説明をするけど」
「ヒールーは選択肢を間違えたんだ」
ヒルトミ「選択肢?」
メアリー「あんな状況で女性を1人にさせるなんて信じられないよ」
ヒルトミ「あ……」
メアリー「いいかい?元の世界に戻りたいなら誰かと協力しなくちゃいけない」
「先ずは女性と仲良くなって信用を得ることが大事だよ」
ヒルトミ「そうか、あっこが運命の分かれ道だったんだね……」
メアリー「わかったなら、さっきの選択肢のところへ戻してあげるよ」
ヒルトミ「そんなことが出来るの?」
メアリー「さっきも言ったけど僕はSSの超越者」
「きっと此処を出たらヒールーは忘れちゃうかもしれないけどね」
「それでも言っておこうと思う」
「GOOD LUCK!」
プツ
???[なぜお前がその力を……]
メアリー「それは企業秘密さ」
「たとえ、???といえど教えるわけにはいかないね」
???[言及はしないでおこう……あまり勝手なことはするなよ]
メアリー「やれやれ、あのままだったらSS終了でしょ」
「感謝くらいしてもいいんじゃない?」
???[……](このイレギュラーめ)
〜〜〜〜〜